こんにちは、本の宅急便です。
世界で1600万部以上売れている超大ベストセラー「サピエンス全史」を読んだので、感想を書いていきます。
結論から言うと、人類の進化からこれからの生き方について考えられたので満足です。
読む前は「上下巻あってめっちゃ分厚かったしなんだか読むのが疲れそうだな」と思ったのですが、どうして人間が動物界の頂点に立つことができたのかやどのように人間は進化していったのかなど興味深いことをたくさん学べたのであっという間に読み終わってしまいました。
なんなら上下巻だけでは物足りないかなと言った印象です。

そしてこの本の最後では「これから人間は何を望んでいくのか?」という壮大なテーマを考えさせられます。ちょっと内容は難しかったのですが若いうちに読んでおくべき一冊ですね。
ぜひこの本から生き方について考えてみましょう。
サピエンス全史ってどんな本?

「サピエンス全史」とはアフリカで細々と暮らしていたホモ・サピエンスがどのようにして食物連鎖の頂点に立てた謎を解いていく本です。
キーワードは「虚構」で国家や企業、人権がどのようにできていったのかについて深く考えられる一冊。
これまでの人の歴史からこれからをどう生きていくのかを読み解く世界的ベストセラーです。
補足:世界で2000万部突破の世界的名著

このサピエンス全史という本は世界で2000万部以上読まれているものすごい作品です。
出版年が2016年なのでまだ6年しか経っていないことを考えると本当のベストセラーですね。
また、Amazonのビジネス書大賞2017 大賞受賞や2022年現在でも上下巻がベストセラー1位2位を独占していると本当にすごい本です。(Amazonのベストセラーランキング「サル・人類学」はこちら)
さらにあのビル・ゲイツもこの本のファンだとか。
実際僕も読んだのですが第一印象はこれは世界で2000万部以上読まれている作品だなと納得してしまいました。それだけ内容も充実していましたし虚構という切り口から人間の歴史を振り返るのが新鮮で楽しかったです。
人間が生物の頂点になった理由が興味深かった

人間が生物界の頂点になった理由が興味深かったですね。
この本によるとほんの7万年くらい前までは人間(ホモ・サピエンス)はただの動物の一匹に過ぎなかったようです。さらにはネアンデルタール人のような他の人間までいました。
ですが虚構という特別な知能をホモサピエンスが手にした途端、人は動物界の頂点になりさらには他の人類は絶滅してしまいました。

この本を読んでいると虚構というものが興味深く感じましたね。なぜなら虚構という目に見えないパワーで人間が最強になったからです(ちなみに虚構とは目に見えないものを信じることです)。
例えば動物界の頂点というとライオンとかヒョウのようなパワー系、筋肉系を想像するじゃないですか。それにもかかわらず人は虚構という目に見えないパワーで動物界の頂点になったんですよね。この時点で人間はちょっと他の動物とは違うなと思いました。
なので虚構が興味深く感じました。本の内容が気になりすぎてページをめくる手が止まらなかったです。
余談:虚構は今の時代でも健在みたいです

人間(ホモ・サピエンス)が動物の中で頂点に立ったのは虚構の力でしたが、その虚構の力は今も健在なんだなぁと思わず驚いてしまいました。
例えば宗教。宗教って歴史があるだけで神様がいることとか神様が人を助けてくれるとかって根拠がないじゃないですか。それなのに信じてしまうことが7万年前の人間とあんま変わっていないんだなと思い、面白かったですね。
逆に虚構にはそれだけのパワーがあるのかと思うとゾッとしてしましますね。
追記:人間は神じゃなくて悪魔なのかも

この本を読んでいてとても印象に残った文章があります。
物理の法則しか連れ合いがなく、自ら神にのし上がった私たちが責任を取らなければならない相手はいない。その結果、私たちは仲間の動物たちや周囲の生態系を悲惨な目に遭わせ、自分自身の快適さや楽しみ以外はほとんど追い求めないが、それでも決して満足できずにいる。自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?
サピエンス全史(下)より引用
人間は神の領域までの仕上がったのにかえって環境を破壊したり動物をモノのように扱ったり・・・と本当に神様なの?ということを教えてくれます。ひょっとしたら神じゃなくて悪魔なのかもしれませんね。
物語が壮大で読み応えもバッチリ

読み応えがバッチリでした。なぜなら人間が誕生してからどのようにして動物界の頂点に君臨できたのか、またどのような歴史を辿ってきたのかなど人間の誕生から今に至るまでの長い物語を読めるからです。
例えば移住しながら過ごしていた「狩猟採集民族時代」や定住し耕作を始めた「農業革命」、500年前に起こった「科学革命」などいろんな人間の歴史と進化を読めます。
この本でこれまでの人間の歴史(ざっと7万年)を読んで体感することができ、読み応えバッチリでした。ノンフィクションだけど小説のような感じなので物語好きにおすすめですよ。
読みづらさが気になるけど深い教養が身につく

この本ではこれまでの人間の歴史だけでなく、これからの人間のあり方という大きなテーマも考えさせられます。
人間のあり方というと社会的な話で個人には関係なさそうな話ですが、深く考えさせられるところがありましたね。
例えばゲノム編集ができ、もはや神の領域にまで達しようとしている人間がクローンを作って労働させるのはいいことなのかだったり、家畜を動物としてではなく商品として扱っていることについてなど正解のない問いを考えさせられました。
この本を通して生き方や人のあり方など深い教養が身についたのでよかったです。
ただ読みにくかったのが気になりましたね。
というのも難しめの漢字を使ったり一文が長くて理解するのが大変だったからです。
こう、よくある頭いい人の会話を聞いているようで、初めは理解できてたのに徐々に読みづらくなっちゃうみたいな感じでした。
ですが深い教養になりますし読んで損することはないので読みにくさには目をつむり、ゆっくり理解しながら読むのが無難かなと思います。
追記:章ごとに分けて読むのがおすすめ

この本は章ごとに分けて読むのがおすすめです。
なぜなら途中で読むのに疲れてしまったり、内容が頭に入ってこなくなることがあるからです。
例えばこの本は上下巻合わせて600ページ近くあるので一気に読もうとすると途中から「流し読み」みたいになってしまい内容がが頭に入ってきません。
そこでおすすめしたいのが各章ごとに分けて読む方法です。例えばこの本は20章まであるので、20回に分けて読むと言った感じですね。
そのほうが休憩しつつ読めるので内容も入ってきやすいですし、読んでいて挫折するという難しい本あるあるも克服できます。
追記2:虚構を意識して読むと内容が入ってきやすいですよ
虚構を意識して読むと内容が入ってきやすいです。
この本が読みづらい理由は先ほどのに加えてもう一個あって、それは虚構を前提得話が進んでいくことです。なので途中から「この章はなんの話をしているんだ」と分からなくなり戸惑ってしまいますが、そんな時は虚構を思い出しましょう。
この本は大体虚構について書かれているので僕は虚構を意識しながら読みました。
追記3:人間の歴史の内容で近代史が多かった

先ほど過去7万年間の人間の歴史を学べると書いたのですが、近代史の比率が大きくやや偏っているなといった印象です。
近代の方が大昔よりデータも多いので仕方のないことですが上下巻中”上”では10世紀くらいまでの歴史が解説されていて”下”ではほぼ全てが近代史に全振りしている感じです。
ただ「人類の誕生→今」までの歴史の流れは欠損なく書かれていますし、なんたって「虚構」という面白い観点から語られているので問題ありませんでした。近代史の比率が大きくなってしまうことは仕方のないことと考え僕は目をつむるようにしました。
虚構の違いについて気になった

虚構の違いっていうのが気になりましたね。
虚構とひとまとめに行ってもいろんな虚構があるじゃないですか。例えばAの虚構とBの虚構みたいな感じです。
なのでもしこの虚構の違いが生まれたらどうなるのかなと気になりました。
宗教でいうと、例えばa教では「人を助けなさい」b教では「人を助けてはその人のためになりません」と決まっていたらどっちを選べばいいのかみたいな感じです。
今じゃ起きないですけどこれがまだ虚構が生まれたばかりの数万年前だったら戦争になっていたのかなと思うと昔の人って野蛮だなと思いましたね。
なぜこの本は若いうちに読むべき?

この本を若いうちに読むべき理由は「人間の真理を学べるから」です。
というのもこの本を通して今までの人間の歴史を見ていくと人の真理がわかってきます。
例えば金を持っている孤立者よりも貧乏だけど温かいコミュニティを持っている人の方が幸福度は大きいと言った感じ。
なのでこの本を通して人はこんな生き物なんだなというのを実感し、そして「じゃあ僕はこれからどう生きていこうかな」と考えられれば最高です。

ちなみにこの本はこれまでの人間の歴史からどう生きていくのかを考えさせられますが、サピエンス全史の続編「ホモ・デウス」ではこれから人間はどうなっていくのかという未来からどう生きていくべきかについて考えさせられます。
ホモ・デウスの感想も書いたのでよければ読んでいってください。
まとめ
そんなわけで「どんな感じに生きていけばいいのか見つからないよ」と言った方にはサピエンス全史がオススメです。
やや読みにくいですがこの本の中でたくさんの発見や気付かされることがあるので読んでみてください。AmazonAudible(Amazonの朗読サービス)では一冊無料で読むことができるので試しに読んでみるのがオススメです。
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